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「Lwrighte」

2025.7.11(金)





「Lwrighte」






〈展示について〉

OFS.TOKYOは、2025年7月に10周年を迎えます。
これまでに出会った方々、支えてくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。
私たちはこれからも、クリエイティブの力を信じて―ギャラリーでの企画展やイベント、プロダクトの紹介から販売まで、日々の営みを通じて―想像と創造の場を育んでいきたいと考えています。
11年目の一歩を踏み出すこの夏からも、どうぞよろしくお願いいたします。

OFS GALLERYでは7月11日(金)〜8月11日(月)の期間、10周年の記念に重ね、
KIGIの植原亮輔による企画展「ライト」を開催いたします。
本展は植原にとって亀倉雄策賞受賞記念展(2009年)以来の個展です。
植原の活動はグラフィック、プロダクト、プライベート&コミッションワーク、アイウエアブランド「TWOFACE」の立ち上げなど多岐に渡りますが、今回は新作の大型絵画や写真作品を展示します。作品「LIFEBLOOD」シリーズや新たな写真集のほか、今回展示のために制作したグラフィックカードや、シルクスクリーン等で刷り上げたミニポスター、オリジナルTシャツ、トートバッグも販売します。
OFS.TOKYOの10周年を祝い、会期中は様々な企画をご用意しております。
ぜひ足をお運びいただき、お楽しみいただければ幸いです。





「Lwrighte」
会期: 2025年7月11日(金)- 8月11日(月)
会場 : OFS GALLERY
open : 12:00~20:00(最終日は18:00まで)
close: 火・水

※展示内容や会期中のイベントについての詳細は、随時OFS.TOKYOのインスタグラムにてお知らせいたします。






〈植原亮輔による文章〉

2020年、コロナ禍の中で絵を描き始めた。
これまで試みてこなかったことに挑戦してみようと考え、新たにアトリエを借り、油彩道具とB全サイズほどのキャンバスを購入した。
そこから徐々に支持体のサイズは大きくなり、現在では自分の身体を超える大きさのキャンバスに向き合っている。
発光するモニタに写真を映し、さらにカメラで撮影し、モアレを含めた被写体をそのまま油彩で表現している。多少大袈裟ではあるが、僕にとってはまるで熊を仕留めるような、全身を使った格闘である。

グラフィックデザインの仕事は現代においてはほとんどが机上の作業。大きなキャンバスという支持体に支配され、それに立ち向かって描く行為は、机上で支持体を俯瞰し(逆に支配しながら)描くこととはまた違う感覚を持ち得る。

僕が社会人になったばかりの初年度は、ロットリングでトンボをひいて版下をつくる準備をするのが朝一の仕事だった。デザイナーとして駆け出しだった自分にとって、毎朝のロットリング作業は一種の儀式であり、一本の線を引くことには強い集中と緊張が求められた。
二度のクリックで容易に線が引けるようになった現代、そこにどれほどの思いや覚悟が込められているのだろうかと、ふと考えることがある。
もちろん、そうした「感情のなさ」や「軽やかさ」こそが、現代のデザインのあり方の一つでもある。また、写真においてもPhotoshopによって何度でもやり直せる現代と比べると、かつての写真の定着作業には、確かな緊張感が伴っていた。

スピードと技術の進化、多様性に満ちた現代に心を躍らせる一方で、その大きな流れに飲み込まれてしまいそうな不安もまた、創作に携わる者なら誰しもが感じるものかもしれない。そうした思いも背景に、コロナ禍を機に旅をしながら写真を撮ること、かつて見てきたシーンを油彩で描いて記録すること、わざわざ描き辛い道具で線を引くことを始めた。初めてロットリングで線を引いたときの感覚や手で作り出す難しさを思い出しながら、自作の筆記具等を使って、キャンバスや木製パネルに向き合っている。絵のテーマは自分の体験を通した具象と抽象。光であったり、空気であったりする。

2022年にKIGIの個展「all is graphics」で発表した僕の写真作品『LIFEBLOOD』は、2019年から撮り始めたシリーズだ。
2020年以降は北海道や沖縄をはじめとする日本各地で撮影を重ね、2023年には日本を離れてスリランカで撮影した。
今回の展示はそのスリランカでの作品を発表し、KIGIの出版部門「木木花花」から初の写真集も刊行する。

僕にとってプライベートワークとは、日々のデザイン業務という“本番”に対しての“素振り”のようなものである。小中学生の頃、野球に打ち込んでいた自分にとって素振りとは、ホームランを思い描きながら何度もバットを振る練習だった。

仕事とは、バントでもヒットでもホームランでも、確実に当てにいき、結果としてゲームに貢献することが求められる行為である。デザインの仕事も然り。
一方で、プライベートワークにおいては、当たるかどうかではなく、正解?を出すことが目的でもなく、何を思い描いて振ったのかという「行為そのもの」が意味を持つ。それは痕跡であり、結果であり、逆に言えばクリエイションのもっとも純粋な姿なのではないかと感じている。



ここ5〜6年間、自分なりにつくりあげた ライトの痕跡をご覧いただけましたらとても嬉しく思います。
皆さまに心より感謝いたします。

植原亮輔




〈会期中のイベントや在廊日〉

■ オープニングパーティー

7/11㊎17:00〜21:00

入場無料 予約不要、どなたでもご参加いただけます


■トークイベント <植原亮輔×矢後直規>
アートディレクターの矢後直規さんをゲストに迎え、アートディレクターのB面、
そしてグラフィックの可能性についてお話しいたします。

7/20 ㊐16:30〜 予約制

ご予約はお電話、またはインスタグラムの予約フォームにて受付いたします。
詳細は後日OFS.TOKYOのインスタグラムにてお知らせいたします。
tel:03‐6677‐0575(代表)


■ 在廊日

7/11㊎ 13 ㊐ 19 ㊏ 26 ㊏ 8/3 ㊐ 10 ㊐ 11祝 ㊊

※時間未定 ご来場の際はインスタグラムをご確認ください。


■角打ち酒場「金角」 OFSにて毎週金曜夜にオープンしている酒場
期間中は毎週、植原も在店いたしますのでお気軽にお立ち寄りください。
open: 毎週金曜日 18:00〜 (close: 22〜23:00)



Profile


植原亮輔| RyosukeUehara

1972年北海道生まれ。多摩美術大学デザイン学科卒業。
DRAFTを経て2012年渡邉良重と共に
クリエイティブユニット「KIGI」を発足、「株式会社キギ」を設立。
2024年より社名を「キギと創造株式会社」 として新たにスタート。
クリエイティブディレクター、アートディレクターとしての
クライアントワーク以外にも、作家活動を行う。

また、ギャラリー&ショップ「OUR FAVOURITE SHOP」を2015年より、
移転した「OFS.TOKYO」(東京・池尻)を2023年より運営に携わる。
滋賀県の職人たちと立ち上げたプロダクトブランド「KIKOF」や
2023年より立ち上げたアイウエアブランド「TWOFACE」などブランド事業を展開する。

2017年、宇都宮美術館にて大規模個展「KIGI WORK & FREE」を開催。
越後妻有アートトリエンナーレ2018 大地の芸術祭<方丈記私記>に
「スタンディング酒BAR・酔独楽」を出品。
2022年代官山ヒルサイドフォーラムにて10周年記念展「all is graphics」開催。

東京ADCグランプリ(2015)
東京ADC会員賞(2013・2017・2019・2023)、
第11回亀倉雄策賞(2009)など受賞






OFS.TOKYO | OFS GALLERY

池尻大橋のギャラリー&ショップOFS.TOKYOの運営を有志のクリエーターと共に行なっています。
ショップ部門ではKIGIのプロダクトを中心に、繋がりのあるクリエーターのプロダクト等も販売しています。
ショップ内のキッチンカウンターとテーブル席では、飲食のサービスも行ない、昼はカフェ、金曜の夜は、角打ち酒場「金角」というレストラン・バーを展開。
ギャラリーでは、30〜45日に一度入れ替わる展覧会や不定期に行われるイベント等を企画しながら、
グラフィック、プロダクト、アート、音楽、ポップアップストア等、ジャンルを限定せずに様々な展示や販売活動を行なっています。
クリエイティブ活動は受け身ではなく、社会を巻き込み、様々なクリエーターやブランド等ともコラボレーションをしながら、自ら能動的に作り出すことが未来のクリエイションであると思いを掲げて取り組んでいます。


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