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愛して止まないものたち ー手に入る愛用品ー:作原文子編

作原さんの手掛けるスタイリングは、枠にとらわれないミックススタイルに定評があり、生活感を持ちながらも、豊富な情報量が心地よい場所にまとまっている。
少し足をくずし、肩の力を抜いて座っていられるような、そんな許容量のあるスタイリングをされる方。
 
取材に伺ったのは、 自身の活動する「MOUNTAIN MORNING」の拠点となるシェアオフィス。初対面の私達を迎えてくださった作原さんは、とても穏やかな雰囲気を持ちつつ、初めてお会いしたとは思えない気さくさが居心地よい、まさに彼女が作り上げる空間のような方でした。
 
お仕事柄、出会ってきた多くの品々の中から、今回紹介いただたいものはこちらの3点。
 

 
・KAWECO アルミボディのボールペン
・Kontexのワッフルタオル 「ブレラ」「ヘザーワッフル」
・Jean Dubost のカトラリー「ライヨール」シリーズ
 
ご紹介している商品はOFS ONLINE SHOPでもご購入頂けます
 

 
ドイツKAWECO(カヴェコ)社の「アルスポーツ ローラーボール アルミ」。
 
物を紹介する仕事上、自分で使うペンも良いものを持ちたいと思いつつ、作業現場でなくしてしまうことも多く、これまではあまり高いものを使う感覚はなかったんだそう。
 
その中で出会ったこちらの一品は「丁度よい重量感」と仰る通り、見た目より重くなく、かといって軽すぎる事もなく、手の中にしっくり収まる。
 
表面処理をしていないアルミのボディが、経年変化とともに使う人のストーリーを刻んで、表情に味が出てくるという。
 
ボールペンとしてはなかなかなお値段ながら、手にすると得られるモチベーションから
大事に使っている、とお持ちの一本も、作原さんの手の中でいい味に育っていました。
 


 
高品質の今治タオルをオリジナルで展開する、コンテックス社の「ブレラ」と「ヘザーワッフル」。
 
意外と目につくところに置かれるタオルに、求める要望は我儘になりがち。
その点このタオルはインテリアの邪魔にもならないし、ワッフル織りの肌触りが心地よく、一日の気分をあげてくれる。
 
(どちらもワッフルタオルだけど、それぞれ素材が異なり手触りも違います。オンラインでも販売しますが、できればお店で 実際に手にとって試していただきたい!)
 


 
フランスの老舗ブランド、ジャン・デュポのカトラリー「ライヨール」シリーズは、最近良く店頭で目にするけれど、その多くはポップな色味。作原さんがオススメするのは「カフェオレ」「オリーブ」「キャビア」「チョコレート」などのシックなカラー。(ネーミングセンスも可愛らしい!)
 
シンプルなシルバーを、と思っても、デザインによってはモダンすぎたり、クラシックだったり、個性がはっきり見えてきてしまって…カトラリー選びって意外と難しい。
 
価格もお手頃なうえ、洋食器は勿論、和食器にも合わせやすいというライヨールの守備範囲の広さは大きな魅力。
 

作原さんのアイテム選びに共通して感じられるのは、日常で使って、ちょっと気分が上がったり、嬉しくなるもの。そして組み合わせの妙を楽しめる余裕のあるものたち。
 

「有名なデザイナーものや、昔から知られているブランド、それだけで成り立つものもあるけれど、どこのかは分からないけど何だか好き、というものも共存できたら、そこからまたその人のオリジナルが生まれる。
 
ひとつでは成し得ない、組み合わせる事で見えてくる又違った世界。
 
自分がそんな出会いを表現して、あ、これを組み合わせたら面白い、と思えるきっかけを消費者に与える事も、スタイリストとしてやれる事の一つだと思っています。」と作原さん。
 
「スタイリングに正解はない」とも。
 
「バランス良く形の中に当てはめようとするより、少しはみ出した部分や足りない部分を、どうしたら可愛くなるか、それを活かす方法を考えて行くほうが楽しい。」
 
そんな言葉には、どんな物をも愛おしむ彼女らしい眼差しが感じられる。
 
長くスタイリストを続ける中で、「ファションには気を使うけど、家の中には気を使わない人が意外と多く、その状況がなかなか変わっていかない」と感じていたそう。
 
「それがコロナ禍で外に出られなかった時期を通して、内側に目を向け、人に見えないところに投資する人が増えた。家で心地良く過ごす時間で、気分が上がったり、新鮮な気持ちになってくれることは嬉しい。」
 
これをきっかけにポジティブに世の中が動いていくといい、と口にする作原さん。
 
家族や人と会ったり、笑って一緒にご飯を食べる時間が自身の原動力になっていたという作原さんにとっても、この時期は苦しい事も多い中、日常のささやかな喜びに気付いてくれた人が少しでもいたなら、意味のある時間だったのでは、と感じている様子。
 
ファッションを楽しむように、今日のカラーを決めて、お花やマグカップを選んで朝を迎えてみる。気分に合わせてバスタオルを選んでみる。
 
新しいものを揃えなくても今持っているものをどう活用していくか?そんな少しのことでも日々の表情は変わる。
 
日常でのちょっとしたトライを楽しんで、生活を新鮮に捉えていく。
作原さんはそんなヒントをくれました。
 
 
作原文子
インテリアスタイリスト。岩立通子氏のもとでアシスタントを経験した後、1996年に独立。主に雑誌、カタログ、TV‐CM、エキシビション、ショップディスプレイ、舞台な どのスタイリングを中心に活動。インテリア誌、女性誌、男性誌と幅広く、日本のインテリアスタイリストとして第一線で活躍。柔軟な感性を活かし、さまざまなテイストをミックスした独自のスタイリングは、男性女性問わず定評がある。「Found MUJI」、「INTERSECT BY LEXUS」のウィンドウディスプレや、企業の展示会の空間ディレクションなども行う。また、2010年よりスタートした自身のプロジェクト「mountain morning」では、親密な交流をもつ26人の写真家とのポストカード制作をはじめ、日頃から親交のあるショップやブランド、作家たちとオリジナルアイテムも開発。 不定期でその世界観を具現化するエキシビションやマーケットも開催している。美術・装飾を担当した映画「私をくいとめて」(監督・脚本:大九明子 | 原作:綿矢りさ)が12月18日より公開予定。

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