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愛して止まないものたち ー手に入る愛用品ー:松浦弥太郎編

自分の気に入っているものについてはいくらでも喋れる、と仰っていた通り、松浦さんの口から出てくる言葉には淀みがなく、撮影した映像も殆ど編集の必要はありませんでした。(ですのでほぼノーカットでお届けます。)
 
今回ご紹介いただいたのは、こちらの3品。

 

 

・コレクトの情報カード
・フィスラー社 ストロングボーイ
・青森ひば線香
 
ご紹介している商品はOFS ONLINE SHOPでもご購入頂けます

 
情報カードにいたっては、松浦さんを知る方であれば「あ、あれね!」とピンと来る方も多いのでは。
 
使い続けてきた20年の間には、日々「ツール」は進化をしていて、便利さだけを追求するならばもっと最適なものがあったのでは?と思うけれど、それでも情報カードを選び続ける理由にはある「楽しい」ヒントがありました。

 

 
情報カードには、他にもグリッドや罫線がひかれたりと様々なタイプがあるのですが、松浦さんが愛用するものは無地のカード。
 
真っ白なカードを前に、無意識に文字の配置を考えたり、あえて余白を作ったりする事が、ある種の編集作業のよう。
また、手で書いた字を見ると自身の姿を鏡で見ているようで、自らの実態を感じることができ、安心するのだと言います。
 
何より、それが手の中に立体的に溜まっていく感覚が、嬉しくなる。
これこそ、松浦さんが情報カードに見出している魅力でした。
 
奇しくも片手にすっぽりと収まるスマホと同じサイズ感。
松浦さんは「これが僕のスマホです」と言って、手にした情報カードが与えてくれる数々の「楽しい」を愛しんでいるようでした。
 
そんなお話を伺っていると、四角いカードの束が、松浦さんの頭の中が詰まったとても魅力的なデータバンクに見えてきて、「ちょっと見せてください」と中を覗きたくなってしまう。
 
どんな事が書かれているの…?
 

 
「楽しい」ことが松浦さんの選択のキーワードなのかも?と感じたところで、次に紹介していただいたアイテム 「ストロングボーイ」。
 
硬い瓶の蓋を手軽に開けられるという、数ある同機能の商品を試した中で、ベストの使い心地と選ばれた逸品。

 

 

 
これがあればどんな蓋でも開けられるよ、とこれまた楽しそうに、瓶の蓋を自ら固く締めては空けたりを繰り返す松浦さん。
 
「松浦さんに商品を紹介してもらうと、ジャパネットた◯たの番組に見えてくる」と言われた事がある、と仰る通り、流暢に語られた商品の魅力には「テレビの前で見ている人がいたら、今頃コールセンターへの電話が殺到してるね」と取材現場も盛り上がりました。
 
必要な時にさっと貸してくれるその手が、とっても頼りになる力持ちな「少年」。
耐久性も優れていて、実際にご本人が15年以上使い続けているという実物も(さすがに青年くらいにはなっているかもしれないけれど)劣化せず、まだまだ現役で活躍中。
 

3つめに紹介いただいた、青森ひば線香。
(実はこれが私の一番気になっていたアイテム。)
 
観光船の定期運行や、観光案内もしている青森の観光会社が製造されている、地元の特産品。

 

 
「ひば」や「ひのき」というワードには、無条件に「何だか良さそう」と思ってしまう惹きの力がある。
 
このお線香もそんなイメージに違わず、焚いて包まれる森林を思わせる香りには、リフレッシュや、精神安定、集中力の向上効果などがあり、また、ヒノキチオールの成分が蚊よけにも効くようなので、夏場にも活躍しそう。
 
使う人の利点もさることながら、ヒバ材を使う事は、森が循環するエコシステムにも貢献し、森を守る事にも繋がるという。
 
(因みに、製造元の関連商品を見ていて、思わず青森ひばの精油や入浴剤も仕入れてしまったので、是非手に取ってほしい。)
 
一日の終りに心を落ち着け、いかに快眠するかが自身の大きなテーマという松浦さんにとっても、このお線香で浄化された空気は心地よい眠りを誘ってくれているのだと思います。
 

こうして紹介いただたいものは、どれも類似の商品はあるけれど、そこにはやはり「これでないと!」と思えるちょっとした(だけど毎日の暮らしとなってくると、とっても大きな)使い勝手の「違い」がありました。

 
生活の中に、沢山の条件を付けているという松浦さん。でもそれは「決まり」というよりは、元々それが当たり前なんだというように、自然な心地よいリズムとして松浦さんの生活に溶け込んでいるように感じます。
 
それはきっと、その営みが人間の持っている根源的な感覚を呼び覚まし、本来の「楽しみ」を感じられるような取り組みだからなのかもしれません。
 
松浦弥太郎
エッセイスト、編集者、クリエイティブディレクター。 若き日に単身渡米した アメリカで書店文化に触れ、古い洋書を扱うエムアンドカンパニーブックセラーズを立 ち上げる。2003年、東京・中目黒にセレクトブックストア「COW BOOKS」をオープン。2005年から9年間「暮しの手帖」編集長を務め、現在は(株)おいしい健康・共同CEOとしてウェブメディア「くらしのきほん」を主宰。「DEAN & DELUCA マガジン」の編集長など、様々なメディアプロジェクトに関わる。
 
インタビュー・文:寺田未来(KIGI / OFS店長)

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