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愛して止まないものたち ー手に入る愛用品ー:福田里香編

福田さんが、味は勿論、目からも美味しいお料理で皆の心をつかんでいるのは周知の事実だけど、凝った食材を使っているわけでも、表面をあれこれ飾っているわけでもないのに、何故あんなに美味しそうに作れるのだろう?と疑問を持ちながらの取材スタート。
 
福田さんからご紹介いただいたのは、こちらの3商品。
 

 
・チェリーピッター
・タイガークラウン 耐熱スケッパー
・Microplane クラシックグレーター
 
ご紹介している商品はOFS ONLINE SHOPでもご購入頂けます

 

チェリーピッターは本来チェリーの種を抜くためのものだけれど、これからの時期にはオリーブにも活用できます。
 
オリーブの塩漬けは種抜きを購入する方も多いかもしれませんが、穴を開けて漬けてあるものは、そこから旨味も抜け出してしまっているので、食べる直前に種を抜いたほうがフレッシュにいただける。サラダに入れたり、煮込み料理に入れたり、開けた穴にナッツやオレンジピールを入れるのもオススメだそう。
 
何よりこの楽しそうな作業を試すために、是非、種ありから挑戦してみたい。
これがあるとお子様も喜んでお手伝いしてくれるようで、親子で一緒にお料理を楽しむのにも良さそうです。
 


 
スケッパーはお菓子やパン作りをしない人は、あまり目にしない商品かもしれませんが、良く使われるゴムベラとも違い、食材をすくえる面積が広いし、等分に切ったり、集めたり、混ぜたりと、色々な調理作業に幅広く使え便利。
 
耐熱温度が低いものも数多くあるので、特に、この福田さんがご紹介のタイガークラウン社製のものをオススメします。
 


 
グレーターも種類は色々とありますが、きめ細やかに素材を削ることのできるMicroplane社の製品が秀逸。
 
硬い素材でも、いかにも「力はいりませんよ」と言っているように、シュッシュッと小気味よい音をたてて削れいく。
 
撮影のために削っていただいたものの、淡雪のようにフワフワと落ちていくチーズと、その上に重なるレモンやライムの黄色や緑、ナツメグのアクセントで、お皿の上は抽象画のように彩られていく。
 

 
部屋にフワッと広がった食材の香りと、「この上に生ハムのせたらそれだけでご馳走になるよ!」の福田さんの言葉に、一気に食欲が目を覚ます。(実際に撮影後、スタッフで美味しくいただきました。)
 
こうやって、福田さんの手にかかると、とてもシンプルな素材が、本人も意識してなかった魅力に気付いて、内側からキラキラと輝きだすように見えるのが本当に不思議。
 
とてもお忙しそうなのに、手掛けられるプロジェクトからは、いつもバイタリティーと楽しさが溢れてるように見える福田さん。
その秘訣は何なのか聞いてみると「人やお仕事との出会いも、旅行や観光のように感じて楽しんでいる」とのこと。
 
プレッシャーのかかる仕事も、高みを考えて深刻になるより、自分に持ってる材料で何ができるかな?こんな感じでやってみよう!と楽しみながら取り組む方が良いものができる。
 
きっと、お料理づくりも、まさに旅をするように、目に入るものを新鮮に捉えているから、素材の持つ本来のポテンシャルを存分に引き出したお料理がつくれるのかもしれない。
 
福田さんがセレクトするアイテムは、福田さんのそんな目線を形にすることをお手伝いする、まさにベストパートナーなのでしょう。
 
「元は漫画家になりたいと思っていた」と伺った時、眼鏡をかけたお下げ髪の冴えない女の子が、魅力を見出され一気に人気者に、、、なんて少女マンガの王道が、美味しく調理されていくナスやカボチャの姿に重なりました。
 

福田里香
菓子研究家。武蔵野美術大学卒。書籍や雑誌を中心に活躍し、果物など季節の食材で作る菓子作りが人気。著書に「民芸お菓子」、「R先生のおやつ」、「いちじく好 きのためのレシピ」(文化出版局)、「新しいサラダ」(KADOKAWA)、「季節の果物でジャムを炊く」(立東舎)、「フードを包む」(柴田書店)など。「装苑」のフードコラムは 21年目、「DISCOVER JAPAN」の連載「民芸お菓子巡礼」は12年目と長期連載を抱える。マンガ関連の仕事には「まんがキッチン」(文春文庫)、「まんがキッチンおかわり」「ゴロツキはいつも食卓を襲う」(共に太田出版)などがある。
 
インタビュー・文:寺田未来(KIGI / OFS店長)

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