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2025.11.15
愛して止まないものたちー手に入る愛用品ーvol.2:竹田美織編
竹田美織さんの愛して止まないものたち
資生堂「BAUM(バウム)」のビジュアルデザイン、「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」展のグラフィック、ショコラブティック レクラのパッケージなど、竹田美織さんのデザインにはきりりと芯の通った美しさがあります。その線と色から成る造形には妥協がありません。そんな竹田さんの愛して止まないものは、やはり美しいものでした。
① 山叶製紙 | 西嶋和紙ミニチュア半紙一〆
まず見せてくださったのは山梨県身延町、富士山のふもとで清らかな水を使い和紙作りを続ける「山叶製紙(やまかのせいし)」の小さな半紙のセットです。一般的な書道用の半紙の一束=一〆(ひとしめ)を1/9のサイズにしたミニチュア版。梱包のカバーも通常の半紙で使われるようにハンコの模様になっているのが愛らしい。
最初の出会いは韓国、聖水(ソンス)だったそう。
「POINT OF VIEWという文房具のセレクトショップで見掛けたんです。ショーケースに入っていて宝物のように見えて。でも書道半紙って漢字が書いてあるので調べてみたら日本のものでした。
手書きのメモ用に使ってます。手書きのメモはノートや束見本など使っていたりしたんですが、この半紙はちょっと厚みがあって、ペンを滑らせても少し沈む感じ、ふわっとした感じがあるんですね。それがすごく心地よくて、最近はメモなど全部これに書く核ようになりました」
「一言二言を書くのにちょうどいいサイズ。あと、グラフィックのラフを描くのにも、ノートに四角を描いてラフを作るデザイナーさんは多いと思うのですけど、その罫じゃなくてもこのメモをそのまま画面の縮小版として使って、そこから並べ替えて検討してみたりするのにもいいんです。
この半紙、バラッと崩れていくのでケースが欲しい感じもしますが、でもこの表紙の紙を乗せていて、その下で少し紙の束が崩れている感じ、そのラフさもいいなと思っています」
② スリップオン | SIERRA 木軸ボールペン L
「そういえばこれもよく使っています」と、竹田さん、持っていたペンを教えてくれました。
「軸が軽くて、細いし色も薄いので、ちょっと鉛筆みたいな感じのストロークが出ますね。普通はペンってインクがしっかり定着するものが多いと思うのですけど、ペンで書くほど定まっていない時とかにいい。鉛筆感覚ですね。でも鉛筆だと芯が丸くなっていって書き味が鈍くなっちゃう。このペンだと一定の細さと一定のシャープさが続くのですよね」
ジュエリーのお店のカウンターで使っているものをたまたま見つ付けて使い始めたそうですが、今はお気に入りでまとめ買いをしているそうです。
③ ブルーノ・ムナーリ | 現実世界のイメージ
次はブルーノ・ムナーリの『現実世界のイメージ』です。15cm×15cmほどの大きさの、手、靴、電球、魚、鳥の写真のカードが入っています、というとなんだか簡単すぎる説明ですが、教育者でもあったブルーノ・ムナーリらしく、使い手の発想力を活かせるような余白があるところが魅力。
「多分、最初に見たのは学生の時だと思うんですけど、いつの間にか持っていて、ずっと持っているものです。公式の遊び方が一応あるにはあるんですけど、その遊び方はあんまりピンとこないんですよね。ただただ、ビジュアルがすごく良いんです。ランダムに並べただけでも様になるという。1つ置いただけでも4つ組み合わせただけでもグラフィックが成立している。
なにかこういうものが好きだよね、という時に思い出すために見る、という感じです。1つの対象、鳥でも魚でも、これくらいの余白を堂々と使っていいんだな、と確かめる。自信になりますよね」
今回の企画展「愛して止やまないものたち」のために、竹田さんは色んなものを考えてくれたのですが、ヴィンテージのものなど扱えなかったものもありました。
「ずっとそこにあったし、これからもありそうなものが結果的に好きになったりします。新しいものも好きなのですけど、今は製造されていない素材が違うヴィンテージのものとか、ちょっと汚れていたり、使い込まれているものに心地よさがありますね。例えば、よく使われている手すりって、色んな人が触ってきてツヤツヤになっているものがありますよね。手入れされているから朽ちずに、飴色に光っている。丁寧に扱われ続けてきているみたいなものに惹かれるのかもしれないです」
インタビュー・文:渡部千春
【プロフィール】
竹田美織(たけだ・みおり)
アートディレクター / デザイナー。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業後、2011年より(株)資生堂に所属。2021年に独立、2024年より個人事務所LAND OF LAVA主宰。
個人アートワーク制作の他、ファッション、フード、アート、ビューティ、エンターテイメント等の分野を中心にビジュアル制作や、ブランドの立ち上げ等に携わる。
Instagram:
@land_of_lava
【企画展情報】
様々なジャンルで活躍されている方々が、日常で使用している「愛用品」を紹介する企画展『愛して止まないものたちー手に入る愛用品ーvol.2』。6人の愛用者からのコメントを通して「愛用品」をご紹介するとともに、OFS.TOKYO店舗とオンラインショップにて、展示・販売をしています。
▪️店舗
2025年10月23日(木)〜11月24日(月・祝)
12:00-20:00(最終日のみ17:00まで)
※火・水曜日は店休日です。
※営業時間の変更など、最新情報はインスタグラム
@ofs_tokyo
にてお知らせいたします。
▪️オンラインショップ
2025年10月23日(木)12:00〜11月24日(月・祝)17:00
※該当ページは
こちら
※一部、店舗のみでお取扱いをするアイテムもございます。何卒、ご了承くださいませ。
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