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2025.11.05
愛して止まないものたちー手に入る愛用品ーvol.3:森岡督行編
森岡督行さんの愛して止まないものたち
「一冊の本を売る書店」がテーマの「森岡書店」の店主、文筆家、ブックセレクター、展覧会キュレーター、森岡督行さんの肩書きは様々です。本に始まり、本から広がる世界と、それを取り巻くものすべてに好奇心いっぱいの目を向ける森岡さんの愛して止やまないものって何でしょう。
① YAECA(ヤエカ)|COMFORT SHIRT EXTRA WIDE
まず紹介してくれたのは、真っ白なシャツ。「YAECA」の定番シャツ、「COMFORT SHIRT EXTRA WIDE」。この日もご自身が着ていたるシャツでした。白いスナップボタンが付き、目立たないですが両脇にはポケットがあります。まるで作業着のような。
「店舗を始めたばかりの時、ギャラリーもやってみたら?とアドバイスをいただいたんです。やるなら作品やアーティストより目立たない、スタッフ用の白いシャツがいいねと言われて。もともと白いシャツは好きだったんですけど。それ以来白いシャツです」
今回のセレクトがYAECAのシャツになったのには、あるときの気付きがあったからだそう。
「SNSで昔の写真がタグ付けされていて、それで10年ほど前の自分を見てみたら同じシャツを着ていたんですね。このYAECAのCOMFORT SHIRT EXTRA WIDE。自分の身体にワイドなシルエットがいいというのがあるのと、あとシンプルなんだけど、究極のミニマルというわけでもない。そういうのが好きで。白いシャツを選ぶのに、ずっとこのシャツを買い替えながら着てきた、続けてきた、ということは、動かぬ愛の証拠ではないかと思ったんです」
② TEMBEA(テンベア)|HARVEST TOTE MEDIUM
お次は鞄です。これもこの日に使っていたもの。実際に使っているからこそ、良いですよとおすすめしてくれる、森岡さんの優しさを感じます。
森岡さんが使っているのはほんのりオリーブ色。肩掛けショルダーにもできるので、鞄を持ちながら両手でしなければならない時にも便利。何かを持ちながら他の作業というのは店員さんによくあること、特に本周りのお仕事関係には多いような気がします。
この鞄との出会いは意外に最近、今年のことだったそう。
「娘が修学旅行に持って行く鞄が欲しい、と千駄ヶ谷のお店に行ったんです。娘が買ったのはこれより一回り小さいサイズなんですけど、見ていて、いいなと。ちょうどよいサイズで、非常にシンプルで使いやすい。上部がジップで閉まるようになっていて、中が露わにならないところがすごいなと思ったんです」
ちなみに、サイドには荷物が重くなったときの補助の持ち手がついています。「レインコートなどを挟んでおくのにもよさそうですね」と、森岡さんのアイデアも教えてくれました。
③ 杉工場|Klapstoel
もう一つのおすすめは椅子。福岡県うきは市にある「杉工場」というメーカーのもの。杉工場の名前のシンプルさにもびっくりしますが、創業1886年(明治19年)という歴史にもびっくりです。創業以来、学校で使う机や椅子、跳び箱などの体育用具の製造とともに、家庭用の木製家具も作っています。
お話を聞いた森岡書店のオフィスでは、椅子、テーブル、ガラス戸のキャビネットも杉工場さんのもの。どれもすっと真っ直ぐに、色も着色しない木の色そのまま。こうした装飾性のなさは、装飾で隠すことができない分、精緻さや美しさにごまかしの利かないものです。このオフィスでも簡単なワークショップなどをやることがあるので、あまり家具が目立ちすぎてもいけません。
「福岡のギャラリースペースを訪れた時に、この椅子が非常にきれいでひとめぼれをして、自分の身の回りの椅子として購入したんです。打ち合わせやワークショップでも、この椅子に座ることから始まる、この椅子に座りたいと思うところから始まるコミュニケーションもあると思います。どんな椅子でもそうなのかもしれませんが、その体験がやっぱり違いを生む。そういうことって結構大きい。
実際、とても座りやすいんです。座面と背もたれがわずかにを削られていて、身体を支えています。職人さんの技ですね。畳んだ時も美しいんです。折りたたみ椅子って式典などで使われますけど、こういうものを使えば、心がちょっときれいになる、気持ちが上がるというのがあると思います」
このお話を聞いていてもう分かる感じがしますが、あえて森岡さんの「愛してや止まないもの」の基準って何?と聞いてみました。
「シャツの時みたいに、気付いたらずっと使っていた。愛が止んでいなかったんだな、と気づくものですね」
インタビュー・文:渡部千春
※杉工場『Klapstoel』は、本企画展で受注販売を承っております。座り心地を体感できる展示品がございますので、スタッフまでお声がけください。
【プロフィール】
森岡督行(もりおか・よしゆき)
森岡書店代表。1974年山形県生まれ。著書に『荒野の古本屋』(小学館文庫)、『800日間銀座一周』(文春文庫)など多数。2023年には、ソール・ライターが所有した日本関係蔵書を渋谷ヒカリエで展示した。2025年にはジョージア・オキーフが所有した岡倉天心『茶の本』を可視化するような展示を、ニューヨークのseizan galleryで開催した。
GINZA SIX Podcast「銀座は夜の6時」ではパーソナリティーを担当している。
Instagram:
@moriokashoten
【企画展情報】
様々なジャンルで活躍されている方々が、日常で使用している「愛用品」を紹介する企画展『愛して止まないものたちー手に入る愛用品ーvol.2』。6人の愛用者からのコメントを通して「愛用品」をご紹介するとともに、OFS.TOKYO店舗とオンラインショップにて、展示・販売をしています。
▪️店舗
2025年10月23日(木)〜11月24日(月・祝)
12:00-20:00(最終日のみ17:00まで)
※火・水曜日は店休日です。
※営業時間の変更など、最新情報はインスタグラム
@ofs_tokyo
にてお知らせいたします。
▪️オンラインショップ
2025年10月23日(木)12:00〜11月24日(月・祝)17:00
※該当ページは
こちら
※一部、店舗のみでお取扱いをするアイテムもございます。何卒、ご了承くださいませ。
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