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2025.10.27
愛して止まないものたちー手に入る愛用品ーvol.2:倉本仁編
倉本仁さんの愛して止まないものたち
椅子などの家具からテーブルウエア、家電製品や自動車など幅広くプロダクトのデザインを手掛ける倉本仁さん。生活周りのものは全てに目が行き届いている倉本さんは、どんな「ものたち」に惹かれるのでしょう。
①GEORG JENSEN(ジョージ ジェンセン) | アルネ・ヤコブセン カトラリー 4ピースセット
まず出てきたのは、カトラリー。デンマークの建築家アルネ・ヤコブセンが1957年にデザインしたもので、フォーク、ナイフ、スプーン、デザートスプーンの4ピースのセット。「フォークなんかは妖怪のいったんもめんみたいな形にも見えますね」と倉本さんが言うように、頭からそのまま柄に繋がる、おばけのようなシェイプは愛らしいけれど、でもひょっとして使いにくいかも?
「これが不思議なもので、使いやすいんです。スプーンはスプーンとレンゲの中間みたいな感じで、日本の食卓でも合う。ナイフも、ナイフの形にはグリップするところが必要だ、という思い込みから解放されています。こういうものって作ろうと思ってもすぐ作れるものではない。それを実現しようとするメーカーが素晴らしいですね。クリエーションを応援しようというヤコブセンへのリスペクトが感じられます」
② ALONGU-明論具- | 平皿・茶碗・湯呑・鉢・汁椀
お次は食器シリーズ「ALONGU-明論具-」。こちらは倉本さんご自身のデザイン。長崎県波佐見で作る陶器のシリーズです。釉薬や焼き方の違いで、ヤキシメ、フチサビ、セイジ、テンモクの4種類があり、平皿がサイズ4種、茶碗、湯呑みがサイズ2種、鉢が2種、また木製の汁椀が色違いで2種揃っています。
「日本を含むアジア圏の食卓シーンから着想を得た」というこのシリーズ。例えば日本ではお茶碗を持って使いますが、他の国々では置いて使うのが普通。お茶碗の台(高台)を低くして、持っても、置いても不自然ではないように。口の当たるところは心持ち薄く、と、使いやすさを考えてできたもの。
他にも小皿を沢山つかうところもあれば、ワンプレートが好まれるところもある。各国ちょっとずつ使い方は違いますが、日本がそうであるように、他の国でも、和洋中、どんなものでもミックスして食べるのが普通になってきました。そんな多様なスタイルにも合うような、すっと人々の生活に寄り添ってくれそうな陶磁器たちです。
それからもう一つ。ALONGUー明論具ーの製品は釉薬のかかり具合や、焼いた後の表情がそれぞれ違っていたりします。
「例えば、居酒屋さんなども整い過ぎていないほうが良かったりする。そういういい感じに脇が甘い感じや揺らぎというものが作りたいんですよね」
なるべく全ての製造品をB級品扱いにしないように、という配慮でもあります。
テーブルウエアが続くのは、実はこれら、オフィスでいつも使っているもの、とのこと。毎週金曜日のお昼は、スタッフが一緒にご飯を食べるのだそう。そんなところで交わされるのは仕事の話ではなく、その時あった個人的なあれやこれやのトピックス。ヤコブセンのカトラリーもALONGU-明論具-も、使われて愛されているものたちです。
※本企画では、「平皿」「茶碗」をサイズ・カラーバリエーション豊富にお取り扱いしています。
③supernova(スーパーノヴァ) | SALT & PEPPER MILL-TYPE A、TYPE B
④supernova(スーパーノヴァ) | DOOR STOPPER
今度は、ソルト&ペッパーミル。円柱のボディに円筒形のヘッド、と極めてシンプルな形のTYPE Aと、同じ円筒形だけれども、真ん中だけ横にしたTYPE Bがあります。
ちょっと重そう?と思いきや、意外に軽いのです。石のように見えるこの素材、実は樹脂の『コーリアン®(人工大理石)』でできています。普段、建築装飾資材として壁や床など大きなところで大量に使われることが前提なので、その加工の過程でたくさんの端材が出てしまいます。
こうした行き場のない廃棄される材料に次の命を与えよう、と立ち上がったのが、北海道旭川にあるササキ工芸が立ち上げた「supernova(スーパーノヴァ)」というブランドです。
ソルト&ペッパーミルのソリッドな形は使うだけでなく、置物としてもカッコいい存在感があります。今回お店では同じシリーズのドアストッパーも揃えました。
素材となる端材のコーリアン®は、毎回倉庫からどの種類が送られて来るのか事前には分かりません。
「最初からバラバラのパーツを組み合わせる構成のデザインにしていて、隣り合わせは違う色に、という大まかなルールを決めてあります。あとはその時に加工する職人さんのセンスにデザインを委ねる。工場に届く様々な種類の材料を漏れなく使い切ることができるザインにしました。普段はほとんど建築資材に使われますが、素材としてもすごくきれいだと思うんですよね」
長いキャリアの中で自分が作るものに対する考えも変わって来た、と倉本さんは言います。倉本さんが「愛して止まないもの」ってどんなものなのか、聞いてみました。
「昔は見た目の美しさやデザインの完成度ばかりを気にしていた時もありましたけど、今は、さほど特別な存在じゃないものであっても、気付けば長く使ってしまっているようなもの、これもとても良いものであると感じています。。蚤の市もよく行きますし、そういうところで出会う、誰が作ったか分からないけれど何だか良い感じの品々もいいですね。
時に壊れてしまう食器のようなものだと、適度な値段で買い足しながら使ってもらえるバランスのいいプロダクトが結果的に長く一緒にいられる。しかし一方で、説明のつかない恋愛のような、ちょっと使いにくいけれど、強く惹かれてしまうものもあったりするので、やっぱり不思議ですよね」
インタビュー・文:渡部千春
【プロフィール】
倉本仁(くらもと・じん)
プロダクトデザイナー。1976年生まれ。家電メーカーのインハウスデザイナーを経て、2008年にJIN KURAMOTO STUDIOを設立。プロジェクトのコンセプトやストーリーを明快な造形表現で伝えるアプローチで、家具や家電製品、アイウェアから自動車まで多彩なジャンルの製品デザイン開発に携わり、国内外の様々なクライアントにデザインを提供している。
iF Design Award、グッドデザイン賞、Red Dot Design Award など受賞多数。
2023年よりグッドデザイン賞審査副委員長。
Instagram:
@jinkuramoto
【企画展情報】
様々なジャンルで活躍されている方々が、日常で使用している「愛用品」を紹介する企画展『愛して止まないものたちー手に入る愛用品ーvol.2』。6人の愛用者からのコメントを通して「愛用品」をご紹介するとともに、OFS.TOKYO店舗とオンラインショップにて、展示・販売をしています。
▪️店舗
2025年10月23日(木)〜11月24日(月・祝)
12:00-20:00(最終日のみ17:00まで)
※火・水曜日は店休日です。
※営業時間の変更など、最新情報はインスタグラム
@ofs_tokyo
にてお知らせいたします。
▪️オンラインショップ
2025年10月23日(木)12:00〜11月24日(月・祝)17:00
※該当ページは
こちら
※一部、店舗のみでお取扱いをするアイテムもございます。何卒、ご了承くださいませ。
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